見えないと不安な時もあるカラ・・・

左之助・・・御互いの為vそう言うことにして一旦離れたはずだった。
手紙くらい書く・・・そういったクセに。
もう逢えなくなって、連絡も取れなくなってどれくらい経つんだろう。
元気にしているんだろうか?左之助のことだから大丈夫だとは思うが、
異国の病気に悩まされないでやっているんだろうか。
こちらからでは手紙の書きようもない。
「・・・はあ。」また大きな溜息をつく。
「今日もお使いかい?ご苦労様だね〜」
と魚屋に声をかけられれば、苦笑にも似た微笑を返す。
傍(はた)からみれば、この買い物の量が溜息の原因に見えるんだろう。
「ふう。」そう思うとまた溜息が出てしまう。あっと口を塞ぎ、この原因が買い物の量ならどんなにか楽だろうと思う。思ったところで軽くも楽にもならないけど・・・

「お久しぶりです、緋村さん♪緋村さんですよね?」
いきなり背後から話し掛けられる。
「おろ?」
「僕ですよ・・・えっと瀬田です。」
「ああっ。お久しぶりでござるなっ♪すっかり大きくなってしまって・・・
分からなかったでござるよ」
「大きく?嫌だなあ、最後にお会いしたのだって18だったんだからもう背は伸びませんよ?」
と相変わらずの新撰組沖田総司によく似た笑顔でくすくす笑う。

「いや、背丈ではなくて。」
「?」訳の分からないような顔できょとんと剣心を見る。
「ま、いいや。緋村さんこそ、相変わらずお買い物ですか?」
「ああ。まだまだ沢山頼まれているでござる。ところで、もう東北の旅はいいのでござるか?」
「ええ。旅の方は、充分です。なんだかいろんな人とも出会ったりなんかして。」
「それは良かったでござるな。」
「あ、これお土産ですvお世話になっちゃったし、あとで神谷道場に届けようと
思ってたんですけど、調度いいから・・・っても気持ちだけ、ですが。」
「おろ。お心遣いかたじけないでござるな。。。」
「なんだかそれ、東北のなんとかっていう有名な飴らしいですけど。
有名かどうかはともかくとして味はいいですよ。ちょっと独特な香りなので、剣路くん・・・でしたっけ?達には無理かもしれませんが・・・
・・・さっきから溜息ばかり着いていたようですけど・・・?大丈夫ですか?」
「ああ、大丈夫でござるよ。おかげさまで体の方も良いし・・・」
「・・・そうですか?他にも原因がありそうですけど・・・」とくすっと笑う。
「あ、そうでした。そうでした。ちょうど緋村さんに逢えた事だしv
えっと・・・なんでしたっけ・・・あのお・・・あの」
「・・・?なんでござる?」自分の心を見抜かれているんじゃないかと些か焦りながら聞き返す。
「ほらっ!えっと・・・こおんな髪の毛で、こーんなの頭に巻いてて・・・それで・・・それで!
背中に悪とか書いてある悪趣味なハンショウ着てた人!!」
「左之?!」
左之がどうしたのでござるかと飛びついて聞きたいのを必死に抑える。
全く、自分の感情を留めるのは容易なことじゃあない。
「左之は、外国へいったきりなんの連絡もないでござるが・・・・」
「・・・・・もしかしてそれが溜息の原因ですか?」またくすくす笑う。
「ななななっなにを言ってるでござるかっ。」おかしいくらいに動揺する剣心。
「冗談ですってば♪・・・もう嫌だなあ、緋村さんってばすぐ本気にしちゃうんだから・・・」
「あ。それでですね。これ、預かってきたんですが・・・」
ごそごそと懐から紙を取り出す。
「左之に?」逸る気持ちを抑えて、なるべく理性的(?)に読む。
「いえ、本人に頼まれたって人に。・・・名前までは聞きませんでしたが・・・なにか?」
「いや。わざわざすまないでござる。・・・時間、あるのでござろう?
ちょっと御茶でも寄って行っては。」
「それがそうにも行かなくって。こっちでの用事が済んだら、すぐまた東北行きですよ。(笑)」
「さっき、もう東北はいいと言ってなかったでござる?」
「旅は・・・ですよ。このままずっと旅って訳にも行かないし。
斎藤さんに頼まれてることがあって・・・」
「警察に?」
「さあ、分かりません(笑)・・・何になりたいかなんて考えたことなかったし。とりあえず・・・です」
「いいでござるな。」
「そうですか?」ふふっと笑う笑顔にはもう以前のような淋しさも悲しさも無い。
相変わらず、成長から見放された少年のように笑うがとても綺麗になった。
・・・そう剣心は思う。
・・・左之も・・・・・変わってしまっただろうか?また新たな不安が生まれる。
「あ・・じゃ、僕もう用事ありますから・・・またv」
「なんだか慌しいでござるなあ。少しでも皆に逢って行けばいいのに・・・。」
「そういうのってなんだか照れくさいですしv・・・この件が終わってからでもゆっくり
お邪魔させて頂きますよ♪・・・それじゃっ」
宗次郎の背中が人ごみに消えたのを確認すると、すぐさま路地裏に入り込んで先ほど受け取った紙を広げる。
・・・・・異様な心拍数に自身でもびっくりしてしまうv左之助からの手紙とは言え、左之の字ではない。
その中にあったのは、
”つい最近、日本に帰ってきたこと、近々どっかで騒がないか?との誘い。”
といった内容だ。・・・・・嬉しいv自然とニヤけてしまう剣心。思わず、先ほど買った大根を路地裏の壁に突き刺す(ヲイ!)
ぼきっと折れてしまった大根に「おろ〜」と正気に戻る。・・・小娘じゃあるまいしと一人、
赤面する。そして、考えなければ幸せだったことを考えてしまった。
手紙をあっちで書いてくれるって言ってたのに・・・・・連絡があった今、グチグチ言うのなんて嫌だが忘れられてしまっていたようで・・・ちょっと淋しい。
「・・・左之。」

・・・・・ホントはみんなより先に連絡をもらって・・・嬉しいんだけど。とっても嬉しいんだけど。
自分宛に無かったのが、なんか虚しい。皆宛てなのだから、自分ももちろん含まれているのだろうに・・・・
やっぱり、ちょっと左之助の特別な存在でいたい・・・。そう思ってしまうカラ。

*---*---*---*---数日後---*---*---*---*

そんなこんなで、左之助が今いる箱根の旅館に行くことにした剣心一行。
もちろん、弥彦や燕も一緒だ。恵は診療所の都合がどうしても悪くて
これていない。せっかくなので、宗次郎がもってきたお土産も持参する。
「剣心ー?大丈夫?クマ・・・すごいよ?」薫がのぞきこむ。
慌てて、顔を隠して
「いや、ちょっと・・・」
「具合悪い?・・・あ、コレ持つから」ふっと肩が軽くなり、荷物を薫がもってくれる。
「おろ。大丈夫でござるよ・・・それにもうすぐ着くし・・・」
クマのできた原因は、ほかならぬ今、宿に羽を休めている鳥だ。相変わらず、鳥頭かどうかは
知らないが、・・・会ってなんて言えば、いいんだろうか。
どんな顔をして会えばいい?・・・御主はまた、大きくなってしまったのでござろうな・・・と考えたら眠れなかった。拙者はあれからあまり変わっていない。・・・左之はどうなっただろう。
会えば分かることをぐるぐると意味もなく考え続けて、すこし気疲れしていた。
「ココかー?ってか建物ってこれぐらいしか無いけどな。燕っ、地図あるか?」
「はいっ。えっと・・・多分・・・」
「とにかく入って、聞いてみればいいじゃない。旅館の人にでも♪
あんな頭の人なんて珍しいからすぐ分かるわよ。」
「そうだな。あーんなんでこーんな頭で・・・」
と、昔、斎藤の物まね(本編にありまふね♪)をしたときより、さらに磨きがかかったジェスチャーをしてみせる弥彦。・・・これには思わず、剣心も吹き出す。
「びええええええええん。」剣路が泣き出した。
「?・・・やだちょっと、剣路ぃ〜。もしかして、この鳥真似?弥彦ぉっ。」
「・・・んだよ。自分も笑ってたくせに(笑)」
「剣路〜。大丈夫よ、真似っこだからね。」とんとんと背中をたたいてやる薫。
「真似ってι薫さん、これから本物に会いにいくんじゃ。。。」(これ、燕ちゃんです)
「あ。でも、大丈夫よね?剣路?男の子だもんね?」
泣き止んではいるが、まだひっくとしゃっくりが止まっていなかったが、
にっこり笑いかける薫に、にぱーっと満面の笑顔を返す。
「・・・ゲンキンなやつ・・」ぼそっと弥彦が呟いたが、薫に聞こえてしまった
らしく、ぎろっとニラまれて肩をすくめた。
・・・その仕草がおかしくてか、燕がくすくすと必死に笑いをこらえている。
「・・・剣心?どうしたんだ?さっきからぼけーっとしちまって・・・」
ぶんぶんと剣心の顔の前で手を振ってみる。
「おろ。」
「おろじゃねえよ。全く・・・なあ?剣路?」
「ふえっ」また剣路の顔が崩れ始める・・・
「あああ。悪かった悪かったっ。頼むから泣くなっ。」ぐしゃぐしゃと乱暴に剣路の頭を撫でたので結局またしても泣き出してしまった。
「もうっ、弥彦っ」

そんなやり取りを尻目に
「あのお。ココに数日前から、こーんな感じで背の高い男の人泊まってませんか?」
くすくす笑ったままの燕が、宿屋の前を掃いていた女の人に聞いた。

「・・・背の高いかたですか?それでこーんな感じ・・・
 背の高い方も何人か泊まっていらっしゃいますので・・・お名前とか。。?」
「左之・・・」
「剣心っ。左之じゃ分かんないってば。あの、相楽左之助って・・・」
「ああ!相楽さんですね、いらっしゃいますよ。つい先日からv・・・どうぞ中に・・・」

ここに左之助がいる・・・なんだか信じられない気もする。
あんなに会いたいと思っていたクセに、会えるとなると後ずさりしてみたくなったり・・・
う”〜。もうなんなんだ、拙者はっ。

「相楽様?・・・お客さまがお見えです・・・」
さっきとは違う仲居さんが案内してくれる。
からっと襖の開く音がして、懐かしいオトコがどかんと畳に腰をおろしていた。
「よおっ♪」
「げ?!なんだそのヒゲ面〜」
「ヲイヲイっ。弥彦、いきなり、”げ”はないだろうι・・・・お前、背伸びたなあ。」
「当たり前だろ?もう15だ!」
「そういうとこは、相変わらずガキだな♪まだ、15だ!」
「っるせっ。」「びええええええええんっ」
「・・・すごい泣き声だなあιお前が剣路か?」
「そう♪可愛いでしょーv」
「剣心に似てねえなあι・・・すげえ泣くのな・・・ι」
「えー似てるわよっ。ほら、赤い髪してるし・・・」
「容姿だけだよなっ♪」
「うるさい弥彦っ。これから強くなるの♪」

・・・・左之助のヒゲ面に驚いている間にどうもしゃべるキッカケが掴めなくなってしまった剣心。
あれほど、なんて言おうか考えたのに・・・

「剣心っ。髪切ったのか?また短くなったな〜。」
からっと左之助に話し掛けられて、また途惑う。
「左之は、ずいぶんとのびたでござるな。」
躊躇をさとられないように、務めて明るく話し掛ける。
「・・・しかし。ヒゲは・・・・・」
「あ、似合わないか?結構気に入ってんだけどなあ・・・」
「むさくるしいだけだぜっ」どごっと蹴りが弥彦に炸裂する。
「で?燕ちゃん・・・だったよな?」
「え?あ?はい。お久しぶりですvこんにちは♪」
「弥彦と?」
「はい?」
「・・・お前も、隅に置けねえなあ」さっき弥彦が剣路にしたように
弥彦の髪をぐしゃぐしゃと撫でる。
「やめろってばっ。んなんじゃねえよっ」とか言いつつも微妙に頬が紅く染まった。
ニヤ〜と笑う左之助。
「なあ剣心?今日は皆止まってけるんだろ?」
「ああ。そのつもりでござるv恵殿はどうしても診療所の都合がつかなくて・・・」
「そうか。あいつのことだから元気にやってんだろうな。
よし♪今日は、飲んで騒ぐぞ!弥彦!お前も今度こそ飲めるな?(笑)」
「・・・子供扱いしやがって・・・・。」
「いつか道場(月岡さんの時ですね)で騒いだ時なんて、一杯でぶっ倒れちまったじゃねえか(笑)」
「っるせ。」
「じゃ、今から騒ごうぜ。サシで勝負するか?(笑)」
「おう。望むところだ!」
「・・・弥彦君、大丈夫?」燕に心配されてしまう。
くすくすと笑う薫。

*---*---*---*---*---*---*---*

「があああっ」
まだ夜も浅いが、すでに宿屋の一室は鼾に覆われていた。
結局、サシで勝負とやらをしたものの結果はもちろん弥彦の完敗。
酔いつぶれてしまっている。
せっかくまた皆でこうして会えたのに、どこかおかしい。
そんな自分にイラついて、何故か左之助にもイラついてしまって・・・
少し頭でも冷やそうか・・・。

からっとまた襖を開ける。
「どこ行くの?剣心。」
「ちょっと夜風にあたってこようかな・・・と。」
「そっか。気をつけてね、剣心も酔ってるんだし。」
「・・・大丈夫でござるよ・・」と苦笑をかえして、外に出た。

またすこし風が冷たい・・・ぞくっと背中を縮ませる。
ふっと自分の手の中を見ると・・・
「拙者は・・・何をしているんでござろうな。」
宗次郎がくれた例の飴だ。
仕方ないので、一つ口に含む・・・なるほど、独特の味だ。
「ヲイっ。なにやってんだよ?」
その声にびくっと飴を吐き出してしまった。
「・・・な。左之でござるか・・・驚かしてくれるな・・・」
「なにやってんだ?・・・寒くねえ?」
そういうと剣心を後ろから抱きしめた。・・・びくっと身をよじって引いてしまう。
こんな風に抱きしめられたら・・・どうすればいい?
泣きたくなってしまうから・・・逢いたいって思いにつぶされてしまうから。

「これ。」
やっぱり無意識に飴を持ってきてよかったかもしれない。
「あんだ?」
「瀬田殿・・・からでござる。この間、東北の旅はもういいと・・」
「瀬田って・・・ああ!あいつも元気にしてんのかあ、そっかあ」
遠くを見るような目で懐かしそうに笑う。・・・そんな左之助に・・・
これは嫉妬?それとも・・・?ああっもうこんなにも自分自身は
どうにもならないものだったろうか。
「はい。」ガサッとわざわざ、包み紙まで剥いて渡す。
「・・・ん?なんかすごい味が・・・う”あ・・・」
眉をひそめる左之助に微笑み、ふっと何かを思いついた剣心。
「瀬田殿は、斎藤の助手をさせられるそうでござるよ(笑)」
「げ・・・アイツの性格また崩れるんじゃねえの?毎日、掛けそば注文ばっか強制
されたり・・・・とか?」
少なくとも剣心には、他愛ないと思われる会話を続ける。
もっと別の言葉をかけたかった。もっと他の言葉を聞きたかった・・・なんて思いながら。
出来るだけ平静を装って、演技だってバレないように聞いてみる。
「・・・左之、体おかしくないでござるか?」
「え?体?」
どんとその場に押し倒す。
思いっきり体当たりしないと、このオトコの体は崩れないから、
自然と馬乗りになる形になってしまう。
「連絡は?」
と言葉だけじゃなく目の前のオトコを責める。
「・・っつ。」
顔がうっすら紅潮してるのは、酒がまわってるせいだけじゃない。
「どう?」「は?」
「・・・お薬の味でござる。」
「うっ。」

体がおかしくないかと聞いたのは、そういう意味が含まれていたのかと納得する。
いや、納得したのもつかの間なんで納得しなきゃいけないんだと抗議しようとするが
その口を塞がれてしまう。
・・・さっきから手足の自由が利かない気がするのはやっぱり、これはそういう薬だからか?
とかぼけーっとし始めた頭で考える。
「・・・連絡は?手紙を書く!そういわなかったか?いや、言ってないとは言わせないで
ござるが・・・」
左之のうるんでしまった瞳を冷たい目で見下ろす。
「こんなにずっと連絡もなくて・・・突然帰ってきて・・・」
弁解なんて聞きたくないと口は絶対解放してやらない。
ただ、時折窒息ぎりぎりで開けることはするけど。。。
抵抗もしなくなってしまった左之助の鉢巻をそっと解くとそれで目隠しする。
薬(じゃないけど)が回っているのかぐったりとしたままびくっと体だけはねさせる左之助。
「どういうつもりだったんでござるか?」耳元でそうささやく。
「ど・・・うもこうもねえよっ」
その言葉にむっとして、きゅっとその胸の一点を捻った。
びくんと鮮度のいい魚みたいに跳ねる。
「そんなにいいでござるか?この薬・・・」語尾にわざとふうっと溜息めいた吐息を混ぜる。
「てめっ。なんで・・んあっ。け・・ん心っ!んなもんっ」
「拙者を愛してるといったのはうそだったのでござるか。」
目隠しをされているせいで次にどこを攻められるか分からない不安が
益々、反応を良くしている。
「そうじゃねえよっ。んっ・・・!」必死に声を抑えようとするから会話も続かない。
「じゃなんなのでござる。」
「なにって・・・ッ。愛してる・・・」
ふ〜って耳にまた吐息を吹き込むくすっと噴出してしまい、拙者、その言葉を待っていたのか・・・と苦笑する。
もう左之をだませないな・・・と思う。
「それ、ただの飴でござる。」
「・・・飴か。」ぼおっと返事を返してくる。
「おろ?」
「は?!飴?今なんつった?飴?飴?飴だと??それもただの飴?!」
さっきまでの紅潮はどこへいってしまったのやら、がばっと起き上がって目隠しを外す。
じゃあ、なんで自分はこんなになっていたんだろうと頬から首筋まで染まってしまった。
「・・・そうとう溜まっていたのでござるか?」
剣心の吐いた台詞が信じられなくて、左之助がますます真っ赤になってしまう。
「おま・・・いつからそんな台詞吐くようになったんだ?」
「左之が待たせたからでござる・・・」
剣心の顔からはさっきの冷たい視線も、おろなんていう情けない表情も消えた。
「嘘ついてすまない。左之がどうしてるか不安で
連絡もなくて元気にやっているのか・・・って」
「で、このクマか?」
「・・・なっ。気付いていたのでござるか?」今度は剣心が染まる番みたいだ。
「ったりめえだろ?」
そっと顔をなでてやる。
「連絡しなくて悪かったな・・・。
・・・ホントは、こんなこと言うのどうかと思うんだけどよ・・・」

左之助はそう切り出すと、あの日船にのってからどんなことがあったか
とても時間をかけて話してくれた。
うんうんと相槌をうちながら、その久しぶりの耳障りのいい声に耳を傾ける。
「でさ。。。これ言ったら、俺が・・・まだまだ弱いって・・・お前に思われちまうけどよ。
・・・お前は奥義を会得して、答えを見つけて誰よりも優しく強くなった。
弥彦だってそうだ。・・・俺は?俺はあまり変わってないじゃねえか・・・そう思ったらよ。
なんかどっか違うとこに行ったら、なんとかなるかもしれないって考えちまって・・・
ホントは、どこいっても同じなのにな・・・」苦笑する。
「そんなことない。おぬしだって、二重いや、三重の極みをっ」
「・・・そういってくれるのは、嬉しいけどな。でもやっぱ・・・な。
 何度か手紙書こうと、筆持ったんだぜ?でも、手紙書いたらぜってえ返信来そうで・・・」
「すごい自信家でござるな?」くすっと笑って混ぜ返してみる剣心。
「でも書いてくれんだろ?」
「・・・そりゃ書くでござるが」
「お前のへったくそな字の手紙みたらくじけそうでよ・・・もっと強くなるために少し遠くへ
・・・お前から離れてv行った意味が無くなるだろ?」
「へったくそな字で悪かったでござるねっふんっ。」
「・・・そういう意味じゃないこと分かってるくせにな・・・ほら、機嫌なおせって」
ちゅっ
「?!・・・なにするでござるかっ」
相変わらずの反応にニヤける左之助。

しかし、・・・おぬしの笑顔には誰も逆らえないでござるね。と、くすっと笑ってその広くて
どこよりも安心できる胸板に顔をうずめる。

「しかし・・・飴っていうのはなあ・・・?
こんな恥ずかしいことさせられちまったし?」
「恥ずかしいことって・・・よく言うでござるなあι」
「その御仕置きをしなくちゃな・・・・・おし。これで、俺のものなっ♪」
そういうと首筋に秘跡をつける。
「結構その髪に似合ってんじゃねえ?(笑)」
「にに・・・似合う?似合うわけないでござろうっ。こんな目立つところにっ。」
「いいじゃねえか。俺のものってよくわかってv」
「なっ」
一応抗議の姿勢をしとくけど、
やっぱり嬉しいから見せびらかしたくもなるな・・・なんて。
「剣心っ、ホントはとっても逢いたくて死にそうだったんだぜ?」
がばあっと後ろから抱きしめられる。
この男の腕はやっぱり気持ちイイ。太陽みたいに笑う人の腕の中も太陽みたいで。
ひだまりみたいに包まれているように・・・そっと振り向いて、男の胸板に顔をうずめてみる。
・・・ちらっと上を見て、男が微笑み返してくれるのを確かめてからそっとだけど強く、
おんなじ秘跡をつけてみようと試みることにした。

「拙者のものv」
顔を見合わせて微笑む。
・・・変わらないものなんてつまらないけど・・・
それでも・・・ずっと一緒にいたい。
どこにも行くなって独占欲に縛られてないと不安になる日にはこの烙印が・・・・・見えないものに不安を感じて、見えないと信じられないときもある僕らダカラv
なにか・・・katachiが欲しいよ。

風にも、光にも・・・もう夏がすぐそこまで来ている。



            「見えないと不安な時もあるカラ…」

               真咲さん  「HEART OF SWORD」

     どぅえきましたああああああ!!・・・大変、長らくお待たせ致しましたです・・・。
     浮気?浮気?浮気ーっとつっこまないでください・・・爆。
    あ、でもこのあとこのラブラブに見える二人は、やっぱりダチに戻ろうぜって二人の
     同意の元にダチに戻ります・・・じゃなきゃ、薫さんが、剣路くんがっ(爆、爆)
       なんだか剣心の性格がくず龍閃(崩れた)してしまってすみません。
       とっても良くして頂いて、尊敬する城さまへ・・・♪ 2001.03.24 by masaki*



           真咲さん、ステキな小説をどうもありがとうございました。
           「さのが遠くに行ってからどうなっただろう?」というのは
                 私達さの剣派の永遠の課題であります(笑)。
          真咲さんのお話ではこういう風に帰って来てくれたんですね〜。
            何気ない会話のやりとりが幸せそうで、とっても嬉しいです!
             「なにか形が欲しい…」すごく良くわかっちゃいます!
        同じるろ剣サイトとしましても、今後もどうぞヨロシクお願いしますね♪