誰がためにチョコはある  七条飛白
2月14日運命の日はやってきた。
「今日は左之にチョコを渡すので気合いれるぞ!おー!!」
剣心は一人そう言うと握り拳を高くあげた。

注:左之助と剣心が学生(笑)そして師匠は剣心の従兄っていう設定(笑)です。

「さて、師匠にみつからぬうちに・・・」
そーっと玄関をでようと試みたが思いのほか音がでてしまった。
『しまった!』
そう思うか思わぬかの間に剣心の前に陰ができた。
「け〜んしィん。どこに行くのかな〜もう6時だ。そろそろご飯にしようじゃあないか・・・」
「う・・・ちょっと用事が・・・」
「ほう、どんな用事かきかせてもらおうか・・・」
「い・・・い・や・あ、そう!あの、コンビ二!コンビ二に用事が!」
「・・・なんだよ、その、あ、そう、とか、あの、とか。」
「〜〜〜とにかく用事なのっ!!」
剣心はなんとか隙をみて外にでようとしたが体格差がありすぎてなかなかうまくいかない。
左之助には携帯で「近所の公園で6時に」と連絡してある。
『うわ〜6時すぎちゃってる・・・左之、怒ってるかな〜』
携帯に映し出されている時計表示は6時18分となっている。
どんどん時間は過ぎてゆく。
「とにかく、用事があるから・・・話は後で聞くから・・・」
「いかん!またあの男に会いに行くんだろう!もう遅い!明日にしろ!」
「やだ!明日じゃ!今日じゃないと!!」
いうが早いか剣心は体当たりで玄関より駆けでた。

はあ。はあ。はあ。はあ。
剣心は公園に続く道を全力で走った。
思い人はまだいるだろうか。もう怒って帰ってしまったのではないのだろうか。
不安だけ募る。
早く。少しでも早く。

公園についた時にはもう6時45分。
「45分も遅刻か・・・」
まわりを見渡してみる。もうあたりは真っ暗。しかも左之助らしき姿は見当たらない。
「・・・怒って帰ったかな・・・明日どうやって謝ろう・・・」
やはり待っていてはくれなかった。
落胆しながら公園を後にしようと身を翻した時、
「ああ〜みっけ!!ここにいたのか〜」
「!」
声の主は笑いながら近づいてきた。
「ここの公園ってけっこう広いよな。さがしたぜ。」
「左之・・・まっててくれたんだ。」
「ちげーよ公園中探してたからいまココに来たばっかだって。」
「ばか・・・」
左之助が探し回っていた、というのは嘘だった。
なざならここの公園で待ち合わせ。
といったがちゃんと公園の何処か。まで指示をだしていた。
だから探してまわる必要はない。
「ごめん。遅れた。でかい怪物がいたから。退治するのに時間がかかって。」
「ははー!怪物ねえ。で、用事って?」
今日はバレンタインデーで用事と言えばチョコを渡す事だと
わかっていながら左之助は聞いた。
「うん。今日はコレを・・・って!ああ!!」
「なんだよ突然でかい声だして!」
鞄に入っているはずのチョコがない。
「うそ〜!!なんで!ちゃんといれたのにィ〜」
「??」
「ごめん。左之にチョコ渡そうと思ったんだけど忘れたみたい・・・」
「あ、あ〜しょうがないって!また明日でいいや。」
「わざわざ寒い中来てくれたのに。肝心なものが・・・でも・・・」
「でも?」
剣心は精一杯背伸びをすると左之助にくちづけた。
それが合図だったかのように2人はきつく抱き合った。
時間をわすれるくらい・・・

帰宅した2人がそれぞれの家で怒られたのはいうまでもない。
自分の部屋に戻った剣心は左之助宛のチョコを探すが見つからない。
「うう・・・せっかく作ったのに、ドコいったのかな〜」

そのころ別の部屋で綺麗にラッピングされた包みを開ける人物がいた。
「ほほ〜手作りか・・・あのトリ頭には勿体ねえ。」
いうやいなやそのチョコはその人物の胃袋におさまった。

「ない!ないないない〜!!」
そして剣心はみつかるはずのないチョコを探しつづけていた。




あああ〜、
師匠のお腹に収まってしまったのね…剣心の手作りチョコ…(泣)